回避は確実に
『総魔さん。』
…ん?
…どうした?
『今から家を出ます。』
不意に聞こえてきた声に気づいてすぐに意識を向けてみると、
優奈は早々に用件を伝えてきた。
『両親にはちゃんと挨拶できました。一応あとでお店に顔を出すと伝えてあるんですけど…。構いませんか?』
…ああ、その程度の時間はある。
…それにそのほうがお互いにとっても都合が良いだろう。
『はい。一応その時のために準備はしてあるんですけど…。』
最後の計画に関しては全て優奈に任せるつもりだからな。
…下手に俺が動くよりも優奈が動いたほうが上手くいくだろう。
『あ、はい。総魔さんの期待に応えられるように頑張ります。』
…ああ、頼む。
『はいっ♪それでは今から学園に向かいますね。』
…ああ、だが途中で御堂達に遭遇しないように気をつけるのを忘れるな。
『あっ、はい、それは大丈夫です。総魔さんのおかげで私の魔力の波動は別の波動に変換されていますし、長野淳弥さんや竜崎さん達が協力してくれていますのでその心配は大丈夫だと思います。』
…ああ、そうだな。
だが万が一ということもありえる。
…常盤成美の足止めと御堂達からの回避は確実に頼む。
『はいっ!何とかしてみます。』
はっきりと応える優奈。
その意思の強さをしっかりと感じとったことで。
…学園で合流しよう。
優奈の到着を待つことにした。




