好奇心
時刻は午前1時7分。
予定よりも少しだけ計画の開始が遅れたものの。
ようやく全ての準備を終えたことで魔術の展開が出来る状況が整った。
「色々と迷惑をかけたことは素直に謝罪する。だがその借りを返せるだけの結果は出せるはずだ。」
「「「「「………。」」」」」
創造魔術を展開しながら話し掛けると、
黒柳達は微笑みながら俺の言葉を聞いてくれていた。
「いつもいつも一方的に協力を求めてばかりで申し訳ないと思っている。だが黒柳達が手を貸してくれたおかげで目的を叶えることが出来るようになった。そのことは深く感謝しているつもりだ。」
謝罪以上の感謝の気持ち。
その想いを黒柳達に伝えてみたことで。
「ははっ、気にするな。きみのためならばお安いご用だ。」
「そうそう、気にしなくていいわよ~。」
黒柳と藤沢瑠美が即座に答えてくれた。
…そして。
「大丈夫よ。貴方の紡ぐ物語を見てみたいと思うのは私達も同じだから。」
西園寺つばめも微笑みを向けてくれていた。
「この世界は御堂龍馬を中心として動き始めようとしているわ。だけど実際に世界を動かしているのは彼じゃなくて貴方…天城総魔よ。その事実を知っているからこそ、私達は貴方の全てを見届けたいと思うの。」
…世界か。
成ろうとしてたどり着いたわけではないが、
出来る限りのことはしたいと思っている。
「だから私達のことは気にしなくて良いわ。私達は研究者として、そして一人の人間として、貴方の起こす奇跡を見てみたいと思うだけだから。そういう好奇心で協力してるようなものだから申し訳ないなんて思う必要はないわ。この状況も、これからの出来事も、全ては私達自身で望んだ結果なんだから、無理に気を使わなくても良いのよ。」
「ああ、すまない。ありがとう。」
「ふふっ、お礼なんて良いわよ。」
裏表を感じさせない穏やかな微笑みを浮かべる西園寺つばめ。
その笑顔によって室内の空気が少しだけ軽く感じられるようになったところで。
「最後まで協力してくれたことに心から感謝する。」
ついにこの時が訪れた。




