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THE WORLD  作者: SEASONS
5月15日
4509/4820

強いだけでは足りない

光の翼を広げながら陽の光を放つ究極の精霊。


神々しいまでの輝きは明かりの弱まった地下通路を隅々まで照らし出して、

この場にいる全ての者達の視線を釘付けにしてしまう。



「太陽を司る精霊『美袋翔子』。その究極の力を思い知れ。」



最強の名を冠するに相応しい翔子の姿をした精霊が俺の意志に応じて動き出す。



純白の翼をはためかせながら。


舞い踊るかのような華麗な動きで。


向かい来る生徒達に襲い掛かる。



「滅ぼせ!トールハンマー!!」



生徒達の中心に飛び込んだ精霊に指示を出した直後に、

生徒指導室の入口周辺が激しい雷撃によって支配された。



「ぐぁぁぁぁぁぁっ!!!」


「っづああああっ!!??」


「うっ!?ぐ…っ…ぁ…!?」



翔子の力によって強制的に通路に押さえ込まれる生徒達。


トールハンマーの影響を受けた生徒達は増幅された重力の影響を受けて、

骨が軋み肉が潰れる感覚を味わいながら身動き一つとれないまま口から血を吐いてもがき苦しんでいる。



「分かるか?これが世界を変える力だ。」



ただ単に生徒達を制圧する程度の力ではない。



神に等しい存在感を放ちながら、

絶対的な支配力を示す精霊となった翔子の力。


その究極の精霊を自在に操れるだけの実力を持っているからこそ世界に干渉することが出来る。



「暴力としての力を示すだけのお前達には分からないかもしれないが、これが頂点を争う力だ。」



ただ強いだけでは足りない。


ただ勝つだけでは足りない。



頂点を目指すつもりがあるのなら。


他を寄せつけない圧倒的な実力と全てを支配するに足りる意志を示さなければ意味がない。



その現実を示すために強さと美しさを併せ持つ翔子の力を見せ付けて敵対する生徒達に実力の差を教え込んでいく。


そうして争うことの無意味さを教えながら自らの弱さを教え込むつもりでいた。



…これで気づいてもらえれば楽だったが。



飛び出してきた生徒達の戦意を削ぐことで、

まだ姿を見せていない生徒達にも戦いの無意味さを警告しようと考えていたのだが、

どうやらそうそう上手くはいかないようだ。



「ふんっ!それがどうした!!」


「お前を殺せば済む話だっ!!」



二人の生徒が雷撃の隙間をぬって、

生徒指導室から飛び出してきた。


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