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THE WORLD  作者: SEASONS
5月15日
4502/4820

誤差の範囲内

そろそろ午前0時30分頃だろうか。



黒柳との話を終えてから所長室を退室した俺は長い階段を上り進めて地上の魔術研究所まで戻り、

外へ出るために薄暗い通路を一人で歩いていた。



…次は学園の校舎か。



本来の予定としてはルーン研究所にある実験室の一つを借りて大規模魔術を展開しようと考えていたのだが、

今回は研究所の都合によって校舎の屋上にある特風会で魔術を発動することになった。



…それでもこれはまだ誤差の範囲内だろうな。



研究所も校舎もそれほど大差はないからだ。


重要なのは安定して魔術を使用できる場所の確保と『夜の時間』だけであって、

それ以外の部分に関してはどういう流れであっても計画を修正することが出来る。



…まずは30分以内に雑用を終えれば学園での一つ目の目的が達成できるだろう。



大規模魔術の発動という一つ目の目的は間もなく実行できる。


そしてその後の計画に関しても制限時間があるものの。



…残り20時間もあれば十分だな。



おおよその流れは順調に進んでいる。


細かな部分に関しては今回のような予定外の出来事もあると思うが、

大幅な軌道修正が必要な事態は起こらないはずだ。



…まずは午前1時。



そこで最初の目的を終えてから御堂との決戦に向けて必要な準備を進めようと考えている。



…あまり時間に余裕はないが。



御堂と共に美春や長野淳弥達がジェノスに帰還して、

薫もこの学園に到着すれば必要な戦力は整うことになる。



…計画の進行に関しては特に大きな問題はない。



ただ肝心の御堂自身がどう動くのか?


その一点だけは俺にも予測できない部分だった。



…場合によっては後押しするが、最終的な決断は御堂自身が判断することだからな。



俺の期待通りに動くのか?


それとも自らの意志で別の道を選ぶのか?



その答えは俺にもまだ分からないが。


もしも御堂がまだ戦う意志を持っているのであれば、

その想いに答えるために必要な準備を整えるつもりでいる。



…御堂。


…今のお前は何を求める?



共和国の代表となった御堂は何を望むのだろうか?



その答えを知るためにも。



…俺はこの地で待っている。



御堂と出会い。


御堂と共に過ごしたこの学園で。



…俺はお前を待っている。



再び御堂と剣を交えるために。



…俺は俺に出来る全ての準備を整えよう。



やがて訪れる運命の時に、

お互いが全力を出し尽くせるように。


そして共に悔いを残すことなくこの学園から旅立つために。



校舎に向かって歩みを進めることにした。


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