宗一郎の後釜
「それから最後の海軍に関してなんですけど。」
…海軍か。
それなら聞くまでもないだろう。
「宗一郎が元帥を継続だな?」
「は、はい。北条辰雄さんに引退を諦めさせたということもあって、海軍の元帥を継続する方針を表明されました。」
…だろうな。
ジェノスは海軍の町でもあるからな。
宗一郎以外に元帥を務められる人材はいないだろう。
「当面の間はジェノスの知事と並行して海軍の元帥を務めるつもりだろうな。」
「ええ、そうみたいですね。米倉さんはそのつもりのようです。ただ今回の戦争によってデルベスタ多国籍学園の学園長を務めていたオルバ・レグリックさんが引退を表明されて、今後は海軍に加わるという意思を明らかにされました。」
…オルバか。
「桜井由美とリン・ラディッシュの想いを継いで共和国の守護神にでもなる覚悟を決めたか?」
「そうかもしれません。まずは一海兵として海軍に加わり、将来的には米倉宗一郎さんの役目を担える立場にまで上り詰めるつもりのようですね。」
…宗一郎の後釜か。
「実力と才能を考慮すればそれも不可能ではないだろうな。」
「無事に米倉宗一郎さんの後継者になれるでしょうか?」
…どうだろうな。
「一時的にはなれるかもしれないが、ジェノスには矢野霧華がいるからな。霧華が成長すればオルバの出番はないかもしれない。」
「だったら…。」
「いや、努力が無駄だとは言わないが、霧華の行動次第では2番手で終わる可能性もあるだろう。」
「…みんなが活躍できるわけではないんですね。」
…ああ、そうだな。
誰も彼もが活躍できるわけじゃない。
必要な地位にたどり着けるのは常に一人だけだからだ。
「それでも霧華の教育係として十分な人材なのは間違いない。フェイ・ウォルカを育て上げた才能は本物だからな。」
「あ~、そういう考え方もあるんですね。」
…ああ。
誰もが第一線で活躍するわけではない。
中には後方支援として活躍する者もいる。
その現実も理解したのだろう。
「話のついでと言ってはなんですけど、赤十字魔術医師団に関してもお話しておきますね。」
海軍の話を終えた優奈は、
薫が所属する魔術医師団に関しても聞かせてくれるようだった。




