表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
THE WORLD  作者: SEASONS
5月14日
4460/4820

苦労が絶えない

「それと共和国軍に関しても色々と動きがあるようなので、お伝えしておきますね。」


「ああ、聞かせてもらおうか。」



代表として行動する御堂やジェノスに旅立った竜崎とはあまり関係のない部分だが、

共和国の軍事力を把握しておくこともやはり必要だと思う。



「セルビナとミッドガルムの軍を吸収した共和国の現状はどうなっている?」


「えっと、その…。全体の規模に関してまでは把握仕切れていませんけど。近藤悠輝さんの指導の下で一時的に統合された各国の軍は改めて3つに分割されて陸軍と海軍と国境警備隊に分けられたようです。」



…なるほど。



要するにこれまで通りの編成で規模だけが拡大されたということだろう。



「国境警備隊は陸軍の部隊ではなくて、独自の部隊として編成されたのか?」


「はい、そうみたいです。そして国境警備隊の総司令官には北条辰雄さんが選ばれて、副司令官には鞍馬信彦さんが選ばれたようです。」



…北条辰雄と鞍馬信彦か。



「あの二人なら安心して国境の警備を任せられるだろうな。」


「はい。元々の国境警備隊の残存部隊とセルビナとミッドガルム両国の国境警備隊の全ての幹部の賛同を得たうえでの決定のようです。」



…そうか。



まあ、他に選択肢があるとは思えないからな。



「鞍馬宗久がアストリア戦で死亡した現状では北条辰雄しかいないだろう。」


「はい、私もそう思います。ただ共和国の国境警備隊で残存している部隊は王都で発動した兵器の攻撃から奇跡的に生き延びた極一部だけですので、新たに編成された部隊の多くはミッドガルムの残存部隊のようです。」



…まあ、それも仕方がないだろう。



人手不足を補う難しさもあるが、元々はミッドガルムの領土を主とした国境の警備を行うわけだからな。



「地理を把握している部隊を警備につかせるのは当然の判断だ。」


「ええ、そうですね。多分そういうことだと思うんですけど、近藤悠輝さんの判断によって新生共和国の国境は元ミッドガルム軍の方々が配備につくようです。もちろんシルファス連邦国との国境には元セルビナ軍の方々が配備につくようですけど。アルバニアと隣接する西部や他国と面する北部の国境は元ミッドガルム軍に任せられるそうです。」



…妥当な案だな。



「それと少し違う話題になりますけど、北条辰雄さんは一度総司令官の就任を辞退していたそうです。ただ他に適任者がいないことと、周囲からの後押しによって渋々就任を引き受けたようでした。」


「辞退を申し出た時に何を考えていたのか分かるか?」


「えっと、北条辰雄さんとしては軍を引退してジェノスに帰ろうとしていたようです。そのあとは後任の指導を務めとようと考えていたみたいですけど、後任どうこう以前に総司令官を務められる人材が他にいないということで、ほとんど強制的に就任させられた形だと思います。」



…そういうことか。



「まだまだ苦労が絶えないな。」


「それは米倉宗一郎さんも言っていました。『俺がまだ現役を続行させられているのに、お前だけ引退なんて許さんぞ。』と笑っていましたから。」



…なるほどな。



「宗一郎らしいな。」


「はいっ。そうですね。」



宗一郎の一言によって引退を断念させられた北条辰雄には悪いと思うが、

実際問題としてまだまだ現役から引退してもらうわけにはいかないだろう。



「せめて新たな軍が安定するまでは現役でいてもらう必要があるな。」


「ええ、そうですね。」



北条辰雄にはこれからも共和国軍の猛将として活躍してもらう必要がある。



その必要性を話しあったあとで。


「陸軍と海軍に関してもお伝えしておきますね。」


優奈はさらに説明を続けてくれた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ