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後を継いで
「…あと31時間。」
残り僅かな時間を考慮しながらも、
優奈は各地の調査を続けてくれている。
その努力には感謝するが、
時の流れを止めることは俺にも出来ない。
「過ぎて行く時の流れはどうにもならないからな。今は全ての願いが届くことを祈るしかないだろう。」
「そうですね…。御堂先輩と常盤成美さんのために、私達は私達に出来ることを進めていくしかないんですよね。」
…ああ、そうだ。
「常盤成美さんはこれからどうするのでしょうか?」
…さあ、どうだろうな。
「考えられる可能性は幾つかあるが、どの道を選ぶかは本人次第だ。」
「それでも総魔さんはすでに分かってるんじゃないですか?常盤成美さんがどの道を選ぶのかを…。」
…かもしれないな。
「優奈はどう思う?」
「私ですか?」
「ああ、そうだ。」
「私なら…常盤成美さんならきっと…。沙織先輩の後を継いで学園に入学すると思います。」
…だろうな。
しっかりと考えてから優奈が出した答えは俺の推測と全く同じだった。




