形だけでも
「さて!これより準優勝となるカリーナ女学園の表彰を行いたいと思うのですが、大変遺憾ながらカリーナの生徒は先程の決勝戦において全員が意識不明の状態となってしまったために表彰台に上がることが出来ません!」
「「「「「………。」」」」」
係員の説明を聞いて沈黙する観客達。
それでも係員は進行を止めないために説明を続けようとしていたわ。
「せっかくの表彰の場とは言え怪我人を無理に呼び出すことは出来ませんので、今回は順位発表をもってカリーナの栄誉を称えたいと思います!!」
…ああ、うん。
…まあ、それしかないわよね。
本当は全員が行方不明で表彰できませんなんて言えるわけがないから、
形だけでも体裁を整えようとしているのよ。
「今大会の準優勝はカリーナ女学園です!!決勝戦までの無敗の活躍と今後の期待を込めて!皆様の声援をお願いいたします!!」
「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!」」」」」
各地から一斉に沸き起こるカリーナへの歓声。
それらが鳴りやむのをしっかりと待ってから。
「カリーナの準優勝を表彰する!!」
一礼した米倉元代表は魔女がいない表彰台の上に表彰状を差し出したわ。




