まあ、今回は
…ま、まあそれはそれとして。
一旦、気持ちを切り替えるべきよね。
「それで、どうしてここに馬鹿千夏と成美ちゃんがいるのよ?」
観客席にいたはずの二人がどうしてここにいるの?
そんな些細な疑問を問い掛けてみると。
「一応、試合は終わったんだし、別に良いかな~って思って勝手に来ちゃった。」
…いやいや。
馬鹿が馬鹿なことを言い出したのよ。
…はぁ。
…あのね~。
「勝手にはダメでしょ?」
「う~ん。でも誰にも止められなかったし。」
…いや、だから。
「そういう問題じゃないでしょ!!」
「え~、そう?」
「そうなの!」
「ん~。どういう問題かは知らないけど、私が来なかったら今頃美春はまだその子を襲ってたんじゃない?」
…うっ。
「まあ、キスをしたって言ってもホンの1秒程度だったけど。それでも私が止めなかったら…。」
「そ、それ以上は言わないでっ!」
「え~?まあ、良いけど。私が来て良かったでしょ?」
…え、ええ。
「そっ、そうね…。」
規定がどうかは知らないけど。
個人的には馬鹿が来てくれて良かったのかもしれないわ。
「い、一応、感謝しておくわね。」
「ふふ~ん!もっと感謝してくれていいのよ。」
「うるさいっ!」
「あははは~っ!!!」
ふて腐れる私を見て盛大に笑う馬鹿の笑い声が気まずい雰囲気をあっさりとぶち壊していく。
そのおかげで少しは落ち着けるようになってきたわ。
…まあ、今回は感謝しておくわよ。
馬鹿の暴走も本当にたまには役に立つこともあると素直に認めてから、
もう一度ちゃんと竜崎さんに謝ることにしたのよ。




