他の人だったら
…うああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!!!!!
自分でも気付かないうちにとんでもないことをしていたのよ。
「ご、ごめんねっ!!!!」
慌てて謝ってみるけれど。
竜崎さんは照れてしまって私と目を合わせてくれなかったわ。
…う。
…あぁ。
どうすればいいのかが分からない。
ここで竜崎さんに泣かれたら本当にもう手のうちようがないからよ。
「ご、ごめん…っ!!」
「…い、いえ。だ、大丈夫…ですっ。」
寝ぼけている間にどんな状況だったのかなんて私には何も分からないけれど。
竜崎さんは取り乱したりせずに私の失態を許してくれたわ。
「そ、その…っ。こういうことは…その…初めてなので…どうすれば良いのか分からないんですけど…。そ、その…。」
…うぁぁぁぁぁっ!!!
照れて恥ずかしがる竜崎さんの言葉を聞く度に私の心の中で罪悪感が広がっていく。
「ほ、本当にごめんねっ!!!」
「い、いえ…。その…鈴置さんなら…ま、まだ…平気です…。その…他の人だったら…泣いちゃうかもしれませんけど…。」
…あ、ぅ。
恥ずかしそうにモジモジしながらも必死に微笑んでくれる竜崎さんの瞳には今のところ涙は見えないわ。
だけど泣かなかったからと言ってそれで許されるわけでもないわよね。
「ご、ごめんね…っ。」
「い、いえ…。気にしないで下さい。あまり謝られると余計に恥ずかしくなってくるので…。私なら大丈夫ですので気にしないでください。」
…ぅぅ。
「ごめんね…。」
逆に気を使われてしまったことで余計に気まずさを感じてしまったわ。
「…ホントにごめん。」
とにかくもう、謝ることしか出来なかったのよ。




