4416/4820
審判員ではなくて
…う~ん。
冬月さん達の搬送が行われて、
私と御堂先輩だけが取り残された試合場の側。
すでに試合場そのものは完全に消失していて、
残された巨大な大穴だけが御堂先輩の実力を物語っているわ。
…って言うか。
…この状況でどうすればいいの?
今はまだ辛うじて立ち続けている御堂先輩だけど。
瀕死の重傷で動けないのは見れば分かるわよね。
体を守っていた光の結界さえも消失してしまっていて、
聖剣を地面に突き立てることで必死に倒れないように体勢を保っている状況なのよ。
そのせいで今ではもう話をすることさえ辛そうに見えるわ。
…さすがに下手に話し掛けられないわよね~。
余計な体力は使うべきじゃないからよ。
だから大人しく試合結果の判定を待とうと考えていたんだけど。
「…待たせたな。」
何故か審判員ではなくて米倉元代表が私達に歩み寄ってきたわ。




