まるで懺悔のように
「忘れてなんか…いないよ…っ。僕は…いつも…いつだって…みんなのことを覚えてる…!みんなが目の前で死んでいったことを…今でもはっきりと覚えているんだっ!!」
大切な人達の死。
その絶望を思い起こす御堂先輩は溢れる涙をそっとこぼしていたわ。
「忘れられるわけがない…っ。僕は大切な仲間達に支えられてここまできたんだ。真哉に守られて…米倉理事長に守られて…翔子に助けられて…沙織に救われて…悠理や武藤君に協力してもらって…栗原徹君や琴平愛里さんの命懸けの努力のおかげで、僕は僕の進むべき道を進んでこれたんだ。」
アストリア王国での戦争。
その真実を知っているのは彼と深海優奈さん。
そして御堂先輩だけ。
ある程度までの出来事なら竜崎慶太やウィッチクイーンも知っているとは思うけど。
御堂先輩の想いは御堂先輩にしか分からないわ。
「みんなが僕の道を切り開いてくれたんだっ!みんなが僕を彼の下へ導いてくれたんだっ!」
天城総魔という名の目的地まで御堂先輩は導かれた。
「忘れるわけがないっ!!みんなが僕を支えてくれたことだけはっ!例え死んでも忘れはしないっ!!僕はっ!!僕の力だけでここまできたわけじゃないんだっ!!」
まるで懺悔のように想いを叫ぶ御堂先輩。
その手の中で、
これまでにない光が生まれようとしていたわ。




