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THE WORLD  作者: SEASONS
5月14日
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運と直感だけは

「あと少し…。あと少しだけ反応が遅れていたら、本当に死んでいたかもしれないね。」


「ふふっ。運と直感だけはフェイ・ウォルカ以上ね。」



二人が交わす会話。


その真意は分からないけれど。


二人はお互いの力を認め合っている様子だったわ。



…あと少し?


…って、言うことはもしかして?



冬月さんの攻撃は御堂先輩の心臓から外れていたのかもしれないわね。



…ギリギリのところで回避していたの?



そう考えれば御堂先輩が立ち上がれた意味も理解できるし。


冬月さんの言葉の意味も何となく理解できるのよ。



…あの一瞬で急所を外していたとしたら?



御堂先輩の反射神経や運動能力は私が思う以上にすごいのかもしれないわ。



…さすが御堂先輩ですね。



ジェノスの頂点に君臨して、

魔術大会の年間制覇を狙うだけの実力が垣間見れたような気がするのよ。



…やっぱり天城総魔の言葉は真実なのね。



御堂先輩はまだ終わってなんていなかったのよ。


敗北を受け入れてなんかいなかったの。



…戦いはまだ続いていくのね。



その事実を再確認した私が改めて二人の姿を眺めていると。


「…きみの実力を認めるよ。」


御堂先輩は切り裂かれたルーンの復元を諦めて異なる力を発動したわ。



「ダークネスソード。これも僕の力だよ。」



闇の気配を帯びる魔剣。



輝かしい光の力とは真逆の性質を持つ魔剣を生み出した御堂先輩は、

背中から刺された傷の治療を終えてからまっすぐに冬月さんに向き直ったのよ。



「闇には闇を…。きみを倒すにはこれしかないと思う。」


「ふふっ。面白い考えね。」



新たにルーンを発動した御堂先輩だけど。


冬月さんは警戒するどころかまるで気にしていないといった様子を見せているわ。



「ルーンの形状を変えても能力が変わるわけではないでしょう?例え魔剣を生み出しても光の力は変わらないわ。だから当然、私に攻撃することは出来ないし、結果はすでに見えているわよね。」


「………。」



堂々とした態度で再び御堂先輩に接近していく。



「貴方の力は私には通用しないのよ。」


「………。」



どんなルーンもどんな攻撃も無意味。


その言葉を証明するかのようにクイーンキラーをダークネスソードに向けたわ。



「私が切り裂けば貴方のルーンは消失するのよ。その結果は変わらないわ。」



どこまでも強気な態度で向き合う冬月さんの小太刀が御堂先輩の魔剣に触れ合う。



その瞬間に。



「…あまり僕を甘くみないほうがいい。」



静かに闘志をたぎらせる御堂先輩がついに反撃に出たのよ。


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