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THE WORLD  作者: SEASONS
5月14日
4360/4820

太陽を司る光の巫女

…良し。



「し、試合終了ですっ!!!!!」



決勝戦が始まってから初めてと言って良いほどの健全な試合内容で私の試合は終わったわ。



「第4試合もジェノス魔導学園が制しました!!これにより決勝戦の行方は次の最終戦へと委ねられますっ!!!」



「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!」」」」」



全力で叫ぶ係員の言葉に煽られた観客が再び盛大な声援を私達に向ける中で。



「…ふふっ。素晴らしい才能を秘めているのね。」



倒れた矢島さんを回収に来た冬月彩花さんが私の前に歩み寄ってきたわ。



「太陽を司る光の巫女とでも呼ぶべきかしら?」



…さあ?



「どうでしょうね?」



自分でもよく分からないのよ。


私はただ自分に出来ることをやってみただけで、

実際には太陽とか光の巫女とか言われてもイマイチ実感が湧かなかったりするわ。



…だけどそれでも。



一つだけ言えることがあるわ。



「自分でもまだ分からないけど。だけど一つだけ言えることがあるわ。」


「あら?それは何かしら?」


「今なら貴女と向き合っていても怖くないってことよ。」


「ふふっ。」



私の発言に対して余裕の笑みを浮かべる冬月さんだけど。


そんな妖しい微笑みを見ても、

今の私は恐怖を微塵も感じないのよ。



「不思議とね。今なら貴女が相手でも勝てる気がするわ。」



それは彼が近くにいてくれるからかもしれないけれど。



「今なら貴女が相手でも怖くないと思うのよ。」


「ふふっ、大した自信ね。だけど今の貴女ではまだ無理よ。もしもまだ何らかの力を隠し持っているというのなら話は別だけど。ただ光の力に特化した能力を持っているだけでは私には勝てないわ。」


「…そうかしら?」



私はそうは思わないわ。


今なら御堂先輩が相手でも勝てるような気がするから。



「貴女の闇も払ってみせるわよ。」


「ふふっ。自信を持つのは良いことだけど、今は止めておきなさい。今の貴女ではまだ届かないのよ。私が目指す舞台にはまだ届かないわ。」


「それは魔女の女王に?」


「ふふっ。それ以前の問題よ。」



………。


…どういう意味かしら?



冬月さんが何を示しているのかなんて正直に言ってよく分からない。


だけどもしかしたらって思うことはあったわ。



「私にはまだ覚悟が足りないとでもいうつもり?」


「それは貴女自身が判断することよ。」



私の質問を否定せずに自分で考えるように告げた冬月さんは、

さっさと会話を放棄してから矢島さんの体を回収してすぐに試合場を下りてしまったわ。



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