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THE WORLD  作者: SEASONS
5月14日
4340/4820

汚染という意味合い

「それでは!決勝戦第4試合…始めっ!!」



…まずはホーリークイーン!



試合開始が宣言された直後にルーンを発動する。



「負けないわよっ!」


「………。」


何よりも気持ちで負けないために精一杯の気合いを入れて宣言してみたんだけど。


相変わらず矢島さんは何も言わずに視線だけを私に向けながら自分のルーンを発動していたわ。



…こ、怖すぎっ。



本当に何も話さないのよ。


小さなナイフを生み出してから無言で刃を撫でる矢島さんの雰囲気は恐怖感が増しているわ。



「そ、それが貴女のルーンなの?」



見た目は小さなナイフだから、

戦闘用というよりも儀式的な感じがするわね。


一目見た感じでは果物ナイフのようにも思えるのよ。



「それで…戦うの?」



小さな果物ナイフで戦えるのかどうか?


そもそも凶器としての役目を果たせるのかどうか?


色々と疑問は感じるけれど。



「…十分です。」



矢島さんはようやく私の問い掛けに答えてくれたのよ。



「…これはポイズンナイフと言いますが、どちらかと言えば毒という意味よりも汚染という意味合いが強いです。」



…汚染?



囁くような小さな声で話す矢島さんの言葉はイマイチ分かりにくいわね。


だけど何となく知りたくない内容のような気がするわ。



「え~っと…。つまり結構危険な凶器ってことかしら?」


「…精神的に弱い人なら即死します。」



…うあっ。



やっぱり聞きたくない言葉だったわ。



…即死なのね。



絶対にそうはなりたくないと思うけれど。


おそらく矢島さんの言葉は真実のはずよ。



「き、気をつけるわね…。」



それしか言いようがなかったんだけど。



「………。」



矢島さんは私を気にせずに空いている左手を後方に向けていたわ。



…何?



何を企んでいるのか気になって黙って様子を眺めていると。



「…血の祝祭。」



矢島さんは何らかの魔術を展開したようね。



…何が起きるの?



どんな魔術が展開されたのか?


何も分からないまま静かに様子を見ていると。



………。


………。


…えっ?



試合場の各地に貯まっている複数の血が急速に矢島さんの手に集まり始めたわ。



「血が…動いてるっ!?」



試合場を汚していた多量の血が集約して、

矢島さんの手の中で真紅の宝玉へと変化していくのよ。



「血の…宝石…なの?」



矢島さんの行動の意味が理解できずに戸惑っていると。



「…魔女を射抜く魔弾。」



さらなる魔術が放たれようとしていたわ。


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