そんなわけないでしょ
「イクシオン!!!!」
極大の雷を生み出した長野君は魔術が通じないことを理解した上で攻撃を仕掛けていったわ。
「行くぜっ!!!!」
雷撃を放ちながらも別の角度から文塚さんに接近を試みる。
だけど文塚さんは迫り来る雷撃を冷静に受け止めて、
側面から接近しようとしていた長野君に雷撃を投げ返してしまうのよ。
「無理、無理。まだまだ私には近付けないわ。」
魔術を投げ返すという戦法で長野君の接近を阻んだ文塚さんだけど。
「そうでもないぜ?」
長野君は自分から雷の内部に飛び込んで、
一直線に文塚さんを目指していったわ。
「俺に雷撃は通じないからな!」
雷帝の名前を冠する長野君はあっさりと雷撃をすり抜けて文塚さんに接近していく。
「へへっ。油断したな。」
どうやらさっき魔術を相殺したのは文塚さんの油断を誘うためだったようね。
…だけど。
「ふふっ…。」
文塚さんは戸惑う様子を見せずに笑っているのよ。
「油断?私が?そんなわけないでしょ。」
大胆不適に微笑む文塚さんの手には、
すでに光の矢が生まれてる。
「そんな子供だましで私を騙せると思っているの?」
雷撃を投げ返した直後に追撃の体勢を整えていた文塚さんは。
「さよなら。」
別れの言葉と共に光の矢を撃ち放ったわ。




