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ジェノスの命運
「それではただ今より試合を始めさせていただきます!両選手共に準備はよろしいですね?」
これが最後の確認。
ここで二人が同意すればジェノスの命運を決める重要な一戦が始まってしまうわ。
…うう~。
…緊張するわね。
ただ試合を観戦するだけなのに必要以上に力んで緊張してしまうのよ。
そんな私の視線の先で。
「準備ならすでに整ってる。」
「私もね。」
長野君と文塚さんが即座に係員に答えていたわ。
「早く始めましょう。」
「同意見だ。」
催促するかのように試合開始の合図を待ち侘びる二人の視線が絡み合い。
火花が飛び散るんじゃないかと思えるほどの激しい睨み合いが行われる状況の中で。
「それでは…。決勝戦第3試合、始めっ!!!!」
年間制覇の夢をかけた重要な一戦が始まってしまったのよ。




