許されない行為
「あ…ぁぁ…ぁぁ…っ!」
…うぅぁぁぁぁぁっ。
意識を朦朧とさせて。
抵抗する気力さえも失って。
体内の腸を引きずり出されるという地獄の苦しみを味わった矢野さんが倒れた状況なのに。
「うふふふふふっ♪♪♪♪」
桜井さんの暴走は止まらなくて。
血まみれの手で再び矢野さんの体に狙いを定めていたわ。
…な、何なのよこれはっ!?
「あはははははははははっ♪♪」
高らかな笑い声を上げながら矢野さんの胸に狙いを定めた桜井さんが、
『ズブッ!!!』と鈍い音を響かせながら矢野さんの心臓へと右手を突き刺してしまう。
…ま、まさかっ!?
…本気なの!?
「あはっ♪♪♪」
目的の臓器をつかみ取った桜井さんは恍惚の表情を浮かべているわ。
すでに身動きの取れない矢野さんは苦痛を感じて表情を歪めているのに、
桜井さんは容赦なく矢野さんの心臓を引きちぎってしまったのよ。
…う、わ、ぁっ!?
絶対に許されない行為。
確実に殺害するつもりで心臓をえぐり出したとしか思えない行動。
そんな暴走状態の桜井さんが手にした臓器を口元に寄せて滴りこぼれる鮮血をごくりと飲み干した瞬間に。
「地獄に…堕ちなさい…。」
矢野さんが最後の言葉を呟いたのよ。
…や、矢野さん?
心臓をえぐり取られた矢野さんが最後に何を仕掛けたのか?
その答えは人の体が切り裂かれる音と共にすぐに明らかになったわ。




