バーサーカー
「続きまして決勝戦2試合目を行いたいと思います!!!まずはジェノス魔導学園から矢野百花選手!!そしてカリーナ女学園から桜井麻美選手の登場です!!!」
「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!」」」」」
選手の名前が呼ばれた直後に轟いた歓声がグランパレス全土に広がる中で、
次の試合に出る矢野百花さんが試合場に向かって歩き出す。
「私の相手は桜井麻美ね。」
「百花も気をつけろよ。」
相手の名前を確認してから試合場へと向かう矢野さんに長野君が話し掛けていたわ。
「相手はカリーナの学園長、桜井由美の一人娘らしいからな。」
「…らしいわね。だけど血筋だけで実力が決まるわけじゃないでしょう?」
「その血筋が影響するほど極度の戦闘狂らしい。一度変貌すれば相手を血祭りにあげるまで止まらない悪鬼の血筋が受け継がれているそうだぞ。」
「バーサーカーね。噂には聞いてるけど、そんなにすごいの?」
「親から子へ代々受け継がれてきた戦闘の遺伝子は馬鹿に出来ねえぜ。」
「………。」
長野君の忠告に対して無言で応えた矢野さんは、
一度だけ長野君を見つめてから黙って試合場に向かって行ったわ。
…ん~。
矢野さんが何を思って長野君を見つめたのかは分からないけれど。
結局、何も言わないまま静かに試合場に上がってしまったのよ。




