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THE WORLD  作者: SEASONS
4月10日
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どちらかと言えば

「これで私もようやく所持者の仲間入りね!!!」


喜ぶ私だけど、何故か淳弥が冷めた視線で尋ねてくる。


「まあ翔子がいいならそれでいいが、ルーンの名前は決まったのか?」


え?


名前?


そう言えばまだ決めてなかったわね。


どうしようかな~?


扇を眺めながら名前を考えてみる。


だけど悩むことはなかったわ。


扇の名前はすぐに浮かんできたからよ。


『グロリアスクイーン』


まあ、辞典のレッドクイーンから名前を借りたと言えなくもないけど。


それが私のルーンの名前よ。


名前の意味は『光り輝く女王』


この名前こそ、私のルーンに相応しい気がしたわ。


「グロリアスクイーン。それが私のルーンの名前よ」


そう言った瞬間に、淳弥は何故か笑顔を浮かべながら扇に視線を向けてた。


「なるほどな。確かに翔子に相応しい名前かもしれないな」


「ん?どういう意味よ?」


「どう…って、どちらかと言えば、翔子はお姫様ってよりも女王様って感じだろ?」


「はぁ?淳弥、あんた私を馬鹿にしてるの?」


「いやいやいやいや。正直な感想を言っただけだ」


ふざけたことを言ってくれた淳弥は、私に背中を向けて自分の席に戻って行ったわ。


「…ったく」


失礼なやつよね~。


私のどこが女王様だって言うのよ?


まあ、お姫様って言葉が似合わないことくらい、自分でもわかってるけどね。


それでも不満げな表情を浮かべていると、

黙って様子を見ていた龍馬が話しかけてきたわ。


「まあまあ、ひとまずルーンが使えるようになったことは喜ぶべきだよね。あとは実際に使いこなせるようになることだけど、今日も会場に行くつもりかい?」


「う~ん。どうしようかな~?もうすぐお昼だし、とりあえずもう少し考える時間が欲しいかな?」


「そうか。だったら少しゆっくりするといいよ。まあ、ゆっくりし過ぎると彼に睨まれるだろうけどね」


睨まれる?


ん~。


確かに。


問題のあいつに視線を向けてみると、

淳弥は早く仕事を手伝え!と言わんばかりに私に視線を向けていたわ。


「仕事が嫌なら早めに逃げたほうがいいよ。」


淳弥に捕まる前にね、って残してから龍馬も自分の席に戻って行ったわ。


うんうん。


そうするしかないわね。


あまりゆっくり出来そうな気がしないし。


とりあえず移動しようかな?


ここにいると居心地が悪い気がするから、

本棚に本を戻してから龍馬達に挨拶をして会議室をあとにしたわ。


淳弥には、近付かずに…ね。


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