無意味ですけどね~
「オール・フレイム!!!!」
自爆覚悟で発動する炎の魔術。
激しく燃え盛る紅蓮の炎を生み出した芹澤さんの周囲が炎の海に変わっていく。
「くっ!?ああああああああああああああっ!!!!!!!」
耐性があるはずの自分自身の体も傷付けるほどの威力。
それほどの火力で宮野さんを焼き尽くそうとする最後の攻撃だったのに。
「ほえ~。すごいですねぇ♪」
何故か宮野さんは一切の影響を受けずに楽しそうに眺めていたわ。
「そん…な…っ!?」
…嘘でしょ?
「どう…して…っ!?」
…どうして炎が通じないの?
どう足掻いても攻撃が通じない宮野さんの能力に疑問を感じ続ける私達。
だけど宮野さんは何も答えなかったわ。
「ふんふ~ん♪」
自らの能力を話そうとはせずに、
芹澤さんが苦しむ姿をただただ楽しそうに眺めてる。
「辛そうですねぇ♪♪」
「く…っ…。」
芹澤さん自身でさえ炎の影響を受けるほどの猛火。
それなのに宮野さんは微笑みを浮かべたままで、
力尽きかけている芹澤さんを眺めているのよ。
「まあまあ、炎術師としては超が付くくらい優秀ですね~♪♪」
「………。」
芹澤さんの能力を褒めたたえてはいるけれど。
炎による影響を一切受けないまま芹澤さんの体を抱きしめ続ける宮野さんの言葉は嫌みにしか聞こえないわね。
「ホントにすごいと思いますよぉ♪♪でもでも~。力の使い方を間違えてるから無意味ですけどね~♪♪♪」
「く…っ!!ムカつく子ね…っ!」
余裕の態度で話し続ける宮野さんを睨みつけることしか出来ずに、
最初から最後まで攻撃に失敗し続けた芹澤さんの炎が徐々に弱まっていく。
…もう、限界ね。
魔力が尽きたのが分かるのよ。
「次は…絶対に…殺す…っ!」
宮野さんに対する憎しみを呟く芹澤さんだったけど。
そのまま意識を失って倒れてしまったわ。




