二大勢力
「さあ!注目の決勝戦ですが、初戦を迎えるのは二人の女子生徒からになります!!」
進行を開始する係員に誰もが耳を傾ける中で。
「決勝戦第1試合はジェノス魔導学園から芹澤里沙選手!!そして対するカリーナ女学園からは宮野あずさ選手の登場ですっ!!!」
第1試合の対戦相手が宣言されたわ。
「「「頑張れジェノスっ!!!最強の力を見せ付けろー!!!」」」
「「「あずさちゃんも負けるなーー!新時代の頂点はカリーナだー!」」」
会場全域から轟く声援。
二大勢力として派閥の別れた観客の声援が刻一刻と勢いを増していく中で、
芹澤さんが試合場へと歩みを進めていく。
「私の相手は宮野あずさなのね~。でもまあ、カリーナの中ではまだまだ下っ端の魔女でしょ?」
…そうかしら?
私はそうは思わないんだけど。
何を言っても無駄な気がするわよね。
それでも強気な態度で堂々と歩みを進める芹澤さんに忠告するために長野君が声をかけていたわ。
「油断するなよ里沙。成長という意味では最も危険な相手だ。それに宮野あずさは確実に奥の手を隠し持っているはずだからな。勝敗が着くまで絶対に油断はするな。」
「…ったく、一々うるさいわね~。この私が負けるわけないじゃない。宮野あずさくらいは、ささっと倒してきてあげるわよ。」
「里沙っ!!」
「無視。」
「ちっ!!」
…う~ん。
仲が良いのか悪いのかよく分からない二人だけど。
結局芹澤さんは長野君の忠告を無視したまま決勝戦の舞台に上がってしまったわ。




