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THE WORLD  作者: SEASONS
5月14日
4265/4820

喰らってあげる

「…さあ、始めましょうか。」



小さな声で囁きながら試合場に向かって一歩を踏み出したことで。


「それでは準決勝戦、第3試合を行いたいと思いますっ!!!」


係員が最後の進行を開始したわ。



「1試合目と2試合目を立て続けに勝利したカリーナ女学園が優勢になったことで崖っぷちに追い込まれてしまったデルベスタ多国籍学園!!彼等はこの状況から試合展開を巻き返すことが出来るのでしょうかっ!?」



「「「頑張れーっ!!!」」」


「「「最後まで諦めるなーーー!!」」」



「「ここで一花咲かせるんだっ!」」


「「逆転まで頑張れーっ!!」」



係員に煽られて再び熱狂的な声援を送る観客達。


この試合を落とせば敗北が確定するデルベスタを応援するために必死に声援を送り続ける観客達がデルベスタへの期待を今まで以上に高めていく中で。



「準決勝戦敗退の窮地を突破できるのはやはり彼しかいません!!!ここでついにデルベスタ最強の男が試合場に立ちます!!第3試合目はデルベスタ多国籍学園からフェイ・ウォルカ選手の登場ですっ!!!!」



「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」



フェイ・ウォルカの名前が出た途端に怒号のような歓声が沸き起こったわ。


まるで待ち侘びていたと言わんばかりにフェイ・ウォルカの登場を喜ぶ観客達が叫び出したのよ。



「「「頑張れフェイ!!!」」」


「「「待っていたぞーー!!!!」」」


「「武神の力を見せてくれー!!」」



試合場へと歩みを進めるフェイ・ウォルカに対して絶大な期待を込めたありとあらゆる声援が届く。



…あらあら。


…すごい人気ね。



これまでにないほどの熱狂的な声援。


そんな声援を一身に受けながらゆっくりと歩みを進めるフェイ・ウォルカの表情は勝利への自信を表していたわ。



…ふふっ。


…大した度胸ね。



御堂龍馬や澤木京一のようなどこか不安を感じさせるような弱々しい雰囲気なんてフェイ・ウォルカにはないわ。


揺らぐことのない自信と溢れんばかりの魔力を堂々と示すフェイ・ウォルカは、

これまで戦ってきたどんな相手よりも強敵に思えてしまう。



…御堂龍馬に匹敵する共和国最強の戦士、ね。



澤木京一や大塚義明も十分に強いとは思うけれど。


フェイ・ウォルカはそれ以上。


雰囲気や存在感とも呼ぶべき覇気の強さが圧倒的に他を凌駕しているのよ。



…長野紗耶香と同等かしら?


…いえ。


…竜崎慶太と同等と考えるべきかもしれないわね。



覇気の強さだけで言えば竜崎慶太に匹敵する強さでしょうね。



…覇気だけを比べれば間違いなく御堂龍馬以上よ。



戦闘の実力は別としても、

圧倒的な存在感は御堂龍馬を優に越えているわ。



…ふふっ。


…本物のバケモノね。



決して油断出来ない相手。


フェイ・ウォルカだけは全力で警戒する必要があるわ。



…だからこそ。



それほどの相手だからこそ私は私の実力を思う存分試すことが出来るのよ。



…ふふっ。



彼はどこまで私の実力を引き出すことが出来るのかしら?


そしてどこまで私と対等に戦えるのかしら?



…貴方の限界と私の限界を確かめさせてもらうわ。



私は私自身のために。


そして女王との決戦に挑むために。



…フェイ・ウォルカ。


…貴方の力も喰らってあげる。



ただ勝利だけを目指して、

試合場に歩みを進めることにしたのよ。


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