今日の予定
…で、それから20分後。
私と沙織はみんなの食器を片付けてから、総魔と龍馬の待つ席に戻ったのよ。
「さて、と。みんな、今日はこれからどうするの?」
「私は研究所に行くつもりよ」
真っ先に沙織が答えてくれたわ。
予想はしてたけど、沙織はいつも通りのようね。
となると。
また今日も夕方に研究所に迎えに行く必要があるわね。
「龍馬はどうするの?」
「僕かい?僕は特風会に行くよ。色々とやらなければいけないことがあるからね」
龍馬は特風会ね。
まあ、龍馬もいつも通りって感じかな?
二人の予定を聞いてから、最後に総魔に視線を向けてみる。
「で、総魔はどうするの?」
「午前中に予定はないが、午後からは研究所に戻るつもりでいる」
ふ~ん。
まだ研究所に行くんだ?
一晩中頑張ってたのに、まだ続けるなんて大変よね~。
そんなふうに思ったんだけど。
研究所に戻ると答えた総魔の言葉を聞いて、龍馬は興味を持ったようね。
「何かの実験かい?」
「潜在能力の検証として、どの程度のことが出来るのかを調べているところだ」
「へえ~。それは興味深いね。時間があったら僕も見に行って良いかな?」
「ああ、好きにすれば良い」
断るつもりはないみたい。
私にしても龍馬にしても、
興味があるのなら好きにすればいいっていう態度ね。
そんな総魔の返事を聞いてから、龍馬は私に振り返ったわ。
「そういう翔子はどうするつもりなんだい?」
「え?私?う~ん。どうしようかな~?特に決めてないけど、ルーンに関して調べたいとは思ってる感じ?一応、私はまだルーンが使えないから」
「だったら、僕と一緒に特風会に来た方がいいんじゃないか?あそこなら資料は沢山あるからね」
あ~。
なるほど。
今更だけど、龍馬に言われて思い出したわ。
「そっか。最初からそうすれば良かったんだ。何で今まで気付かなかったんだろ?」
特風会の本棚には数多くの資料が保管されているのよ。
かつて総魔を連れていった時のように、私もあそこで考えるべきだったと思うわ。
「それじゃあ、私も特風会に行くわ」
私の言葉を聞いて頷く龍馬。
そんな私達の会話を横目に、沙織が総魔に話しかけてた。
「あの、天城君。時間があるなら少し相談したいことがあるんだけどダメかしら?」
「いや、構わない」
「ホントに?じゃあ、お願いするわ」
沙織は笑顔を浮かべてる。
何の相談があるのか知らないけれど。
こうして私達は二手に別れて行動することになったのよ。




