これ以上の暴言は
会場の各地から激しい地鳴りが轟いた直後に。
「静まれっ!!!!!!」
「黙りなさいっ!!!!」
「もう止めるんだっ!それ以上の暴言は僕達が許さないっ!!」
「「「「「………。」」」」」
会場の西側で待機していたグランバニア魔導学園の生徒達が暴言を吐き続ける観客達を一喝して沈黙させたわ。
そしてそんな澤木京一達に続いて。
「これ以上の暴言は私達も許さないわよっ!!」
会場の北部で待機していたランベリア多国籍学園を率いるシェリル・カウアー達も観客達を睨みつけたのよ。
「こんなふざけた言葉を聞くために私達はここにいるわけじゃないわっ!!!」
私達を罵る観客達を怒鳴り付けることで激しい怒りを撒き散らしながら会場を静まり返らせる彼女の言葉に続いて、彼らまで動き出す。
「ふんっ。悪いがこういうやり方は趣味ではないんでな…。」
…ふふっ。
…もう動けるのね。
会場の東側から姿を現した大塚義明もヴァルセムの生徒達を率いながら観客達に睨みを効かせたのよ。
「魔女を残虐だと罵るのは勝手だが、だからと言って何を言っても許されるわけではない。」
「「「「「………。」」」」」
静まり返った会場に響く大塚義明の言葉には他の誰よりも説得力があり、
実際に死の危機に追い込まれた彼等が会場に姿を見せたことで観客達は言葉を失って完全に黙り込んでしまったわ。
…それにしても。
私達を擁護するなんて、
どういう心境の変化かしらね?
大塚義明も成瀬智久も八木真奈美も金田敦子も無事な姿を見せている。
その確かな姿を確認したことで安堵する観客達もいる中で。
「まあまあ、とりあえず落ち着きましょうか。」
少し遅れて姿を見せた栗原薫が多くの魔術医師を引き連れながら私達の試合場に歩み寄ってきたのよ。




