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乃絵瑠にしては
「ぐああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!!!!!」
自らの炎に焼かれる大塚義明。
その絶望の叫び声を心地好く感じていたんだけど。
「………。………。………。」
どうやら意識を途絶えさせて完全に沈黙してしまったようね。
…あらあら。
…残念ね。
あれほど優位に立っていた大塚義明だったのに。
終わってみれば乃絵瑠が望んでいた通りに『引き分け』という無難な決着を迎えたのよ。
…まあ、乃絵瑠にしては上出来と考えるべきかしら?
決して誇れるような戦いではなかったものの。
次に繋がる有意義な試合だったとは思うわ。
…ふふっ。
…まあ、悪くはないわね。
これはこれで見届ける意味はあったからよ。
そんなふうに思う私の視線の先で。
「試合終了っ!!!!この試合は引き分けですっ!!!」
審判員が試合終了を宣言したわ。




