表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
THE WORLD  作者: SEASONS
5月13日
4148/4820

義を重んじる男

「すまない。きみにシェリルの過去を話したことが完全に裏目に出てしまった。それにきみを先行させたことで話の流れが読み切れずにシェリルの言葉を止めることさえ出来なかった。シェリルの性格を考えれば、あの状況でシェリルがきみから離れていくのは十分に考慮できたことなのに、それなのに俺は何も出来なかったんだ。」



………。



唯王女との結婚の話が出てからは一言も話をしなかった桐島さんだけど、

その理由はなんとかシェリルを止めようと考えてくれていたようだった。



「上手くシェリルを止められればまだきみの望みは繋げられたはずなのだが…。すまない。あの状況では俺にもどうすることも出来なかった。」



…い、いえ。



「本当にもう良いんです。ただ僕がシェリルに好きだと言えなかったことが原因なんです。もっと早くに勇気を出していれば結果は変わっていたかもしれないんです。」


「だが、それさえもきみには出来なかったはずだ。」


「そ、それは…。」


「きみは義を重んじる男だ。だからこそきみの行動はきみの意思によって束縛されてしまう。」



………。



「きみが何も言えなかったこと。それ自体がすでに俺の責任なのだ。」



…いえ。



「桐島さんの責任ではないです。これは…」


「…良いんだ。きみが責任を感じる必要はない。これは俺の失敗だ。全ての責任は俺にある。」



………。



僕が何を言っても自分の責任を追求する桐島さんは、

それからも何度も僕に頭を下げて謝罪を続けていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ