表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
THE WORLD  作者: SEASONS
5月13日
4145/4820

楽しみにしておく

ひとまず唯王女との婚儀に関しては明日のお昼まで結論を持ち越すことになった。



…これで良いのかな?



今でもまだ悩んでしまうけど。


一旦、気持ちの整理をしないことには唯王女の想いを受け入れることも出来ないんだ。



「優柔不断ですみません…。」



ただただ申し訳なくて。


謝ることしか出来なかったんだけど。



「ははっ。まあ、それが当然の反応だろう。無理な決断を迫っても意味がないからな。きみがきみの判断で結論を導き出せば良い。」



…は、はい。



「ありがとうございます。」


「うむ。一晩しか時間はないが、ゆっくりと考えるといい。」



…はい。



「そうさせてもらいます。」


「ああ。それでは話が長くなってしまったが、ひとまずこれできみ達に伝えるべき話は以上となる。何か質問があれば聞くが…何かあるか?」



………。



「「………。」」



まだ聞きたいことがあるかどうかを尋ねてくれた杞憂さんだけど。


僕もシェリルも桐島さんも、

特に何も問い掛けることはなかった。



「何もないようなら話はこれで終わりだ。長時間付き合わせてしまってすまなかったな。」


「い、いえ…。」



穏やかな声で謝罪する杞憂さんに一礼してから何気なく時計に視線を向けてみると。



…もう7時を過ぎてるのか。



ここに来てからすでに3時間以上過ぎていた。



「もうこんな時間だったんだね…。」



あまりにも悩んでばかりいたせいで驚くほど時間が進んでいたらしい。



「結局、結論を出せないままですみませんでした…。」


「いやいや、気にする必要はない。きみをそういう状況に追い込んだのは我々なのだからな。」



………。



わざと情報を封鎖して僕に即決を迫っていた杞憂さんは、

僕を責めることなく優しく微笑んでくれていた。



「返事は明日の午後まで楽しみにしておく。」


「はっ、はい。」



自信をもった笑顔を浮かべる杞憂さんからは、

僕の返事に対する不安や疑問なんて感じられなかった。



もしかするとシェリルと同様に杞憂さんも僕の答えを確信しているのだろうか?



…それしかないっていうことなのかな。



みんながどう考えているのかなんて僕には分からないけれど。



…だけど。



唯王女との婚儀に関してみんなと話し合っている間、

桐島さんだけは一言も何もしゃべらなかった。



…桐島さんはどう考えているのかな?



あとで時間をとってゆっくりと話を聞いてみたいと考えていると。



「それではここでの会議はこれで終わりにしよう。」



杞憂さんが話をまとめたことで今回の会議は終了になった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ