想定外の言葉
「何だか一気にやる気が出てきたよ。」
シェリルのおかげで不安が吹き飛んで、
人生をかける価値のあるやり甲斐を見つけることができたんだ。
「ありがとう、シェリル。」
もう迷いはない。
ただただ目標にむけて全力で頑張ってみようと思えるようになった。
「国王として頑張ってみるよ。」
「うむ。それは何よりだ。それではきみにもう一つだけ伝えておこうか。」
…?
改めて今の心境を宣言したことで、
杞憂さんはこれまで黙っていたもう一つの報告も聞かせてくれるようだった。
「先ほども少しだけ話したことだが、澤木君にはもう一つだけ伝えなければならないことがある。」
…何だろう?
まだ話は終わっていないようで、
一つだけ伝えるべき話があると言った杞憂さんは何故かシェリルに視線を向けてから話を続けていった。
「きみ達が賛同してくれて実に助かった。やはりきみ達を呼んだことは正解だったようだな。きみ達のおかげで澤木君が決断してくれたのだから。」
「「………。」」
僕に決断を促すためにシェリルと桐島さんを呼び寄せたと言った杞憂さんは、
二人に心からの感謝の言葉を伝えてからもう一つの報告に関する協力も求めようとしていた。
「あとはもう一つの報告に関しても賛同してもらえると助かるのだが、澤木君に伝えるべき二つ目の報告とは唯王女との婚姻に関してだ。」
…は!?
「えっ!?」
「なっ!?」
…今、何て?
全く想定外の言葉だった。
…婚姻!?
…それも唯王女と!?
すぐには信じられない驚くべき発言を聞いてしまったんだ。




