相談するために
…3人で相談するために?
桐島さんとシェリルに相談するために、
二人はこの場に呼び出されたらしい。
…だったら、悩んでる場合じゃないよね。
今すぐに二人に相談することにした。
「どっ、どう思いますかっ!?」
今でもまだ必要以上に慌ててしまうんだけど。
「ははっ。良いんじゃないか?」
桐島さんは笑顔を浮かべながら後押ししてくれていた。
「俺もきみが適任だと思う。まあ、そういう話があること自体知らなかったんだが、俺にも選ぶ権利があるのなら迷わずきみを推薦するだろうな。」
「桐島さんもですか?」
「ああ、きみしかいないと思う。他の誰が何と言おうとも、新国王にはきみしか考えられない。」
「…そ、そうでしょうか?」
「ああ、そうだ。確かにきみはまだまだ若いし経験不足は否めない。だが経験はいずれ蓄積するもので、歳を重ねれば必然的に身につくものだ。だから今はそういう部分に関して深く考える必要はないと思う。」
「だ、だけど…もしも何か失敗してしまったら…?」
僕だけの問題では収まらなくて、
国全体の問題になりかねない。
「僕のせいで誰かが苦しむようなことになるかもしれないと考えたら…。」
国王という重責に押し潰されてしまいそうな極度の不安を感じてしまうんだ。
「僕のせいで…。」
誰かが悲しい想いをするかもしれない。
そんなふうに考えてしまうんだけど。
「それは気にしすぎだろう。確かに国家を代表する者として苦労するのは目に見えている。そして時には失敗して他人に迷惑をかけることがあるかもしれない。だがそれさえも経験なんじゃないか?現在、国王と呼ばれる者達にしてもそうだが、完璧な人間などどこにもいないだろう。誰もが何かを間違えて何らかの歪みを生み出しているはずだ。それが普通であって、それがダメなわけじゃない。」
…失敗さえも経験?
そんなふうに励ましてくれた桐島さんだけど。
「…それに俺自身が間違いだらけの男だからな。」
少し気まずそうに苦笑いを浮かべていた。




