僕の心境
「さて…。きみに伝えるべきことはひとまずこれで以上になる。実はもう一つだけ伝えなければならない案件があるのだが、そちらに関しては後ほど話すとして、まずは今のきみの心境を聞かせてもらおうか。」
…国王就任案に関しての僕の心境?
それはどうなんだろうか?
正直な話をすれば僕自身でもどうすればいいのかなんてさっぱり分からない。
「そ、その…。どう答えれば良いのか分からないんですけど…。あまりにも突然のお話なので、気持ちの整理が追いつかないと言うか何て言うか…。」
どう答えれば良いのかも分からなかたんだ。
「ははっ。まあそれが当然の気持ちだろうな。誰しも国王にならないかと言われて即答できるものではないだろう。国の頂点に立つというのはそれ相応の責務と重責を負わなければならないのだからな。」
「…はい。」
国王としての責務と重責。
それがどれほどのものかなんて今の僕には想像さえも出来ないんだ。
「僕なんかで務まるものなのでしょうか?」
普通に考えれば絶対に無理だと思う。
知識も経験も何もない僕が国王になんてなれるわけがないからだ。
だけどやりたくないとか嫌だなんて思わない不思議な気持ちもあった。
「僕に…出来るでしょうか?」
不安は沢山あるけれど。
それと同じくらいの興味もある。
「僕で良いんでしょうか?」
驚きと戸惑いを感じながら問い掛けてみると。
「…それはきみが信頼できる者達に聞いてみるといい。」
杞憂さんは桐島さんとシェリルに視線を泳がせていた。
そして。
「彼等にはきみの決断を後押しするために来てもらったのだからな。」
杞憂さんは桐島さんとシェリルをここに呼び寄せた本当の理由を説明してくれたんだ。




