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ぶざまね
「ぶざまね、京一。」
………。
結界が消失する寸前に語りかけてきたシェリルは、
呆れ果てたかのような表情で僕を見つめていた。
「本当の実力を発揮しないままで終わるようなら、京一はそれまでだったっていうことよ。」
………。
「もしかしたら…京一なら私に勝てるかもしれないと期待してたけれど。どうやらそれは私の勘違いだったようね。」
…シェリル。
「結界の消失と共に消えなさい。そして自分の限界を思い知りなさい。」
………。
冷たい言葉で宣言するシェリルが僕を見限った瞬間に、
僕が生み出したやわな結界は小さな音を立てて崩壊してしまった。




