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自らの夢を
「…そう。それで良いんだ…。それでこそ…きみは…きみだ…。」
御堂によって体を貫かれた澤木京一は、
悪夢から解放されたかのような柔らかな笑顔を浮かべながら御堂の勝利を祝っていた。
「やっぱり…きみは強い…。僕には…越えられない…壁だった…よ。」
「澤木君…。」
「ありがとう…。最後まで手加減をしなかったきみに、感謝する…。」
「………。」
澤木京一の想いに返す言葉が思い浮かばずに黙り込んでしまう御堂に対して。
「必ず優勝するんだ。そして…きみの力で…年間制覇をつかみ取るんだ…。僕が成し遂げられなかった分まで…きみが…勝ち取るんだ…。」
澤木京一は自らの夢を御堂に託していた。
「…応援…しているよ…。御堂…龍馬…。」
「澤木君…っ!!」
「…ありがとう。そして…さよなら…。」
「澤木君っ!!!!」
慌ててルーンを解除して澤木京一の体を抱き留める御堂だったが。
「………。」
澤木京一はすでに意識を失っているようで、
深い眠りについてしまったようだった。




