大した信念だな
「第3試合はジェノス魔導学園から芹澤里沙選手!!そして対するグランバニア魔導学園からは那岐知美選手ですっ!!!」
すでに試合場にいる二人はどちらも戦闘態勢をとっていて試合の開始を待ち侘びている状況になる。
「百花をいたぶってくれたお礼は100倍にして返させてもらうわ!!」
「勝敗はともかく、仲間を倒されたのはこっちも同じなんだけどね。」
…まあ、な。
試合直後に倒れた菊地英樹は雪が百花の治療をしている間に筑紫美優と澤木京一に救助されて試合場から運び出されている。
そして近くに待機していた魔術医師によって治療を受けているところだ。
「お互いに全力を尽くす以上、こういうことは有り得るでしょ?」
…確かにな。
瀕死の重傷はどちらも同じだ。
グランバニア魔導学園にとっては菊地英樹の治療も急務になっている。
「いつ、どこで、誰が死んだとしてもおかしくはない。それが戦いでしょ?」
後方の待機所で菊地英樹の治療が急がれている気配を感じながら、
那岐知美は里沙に反論してきた。
「生きるか死ぬか。そういう戦場で私達は戦ってきたのよ!」
戦争という舞台で戦い抜いてきた誇りと信念。
それらを心に抱えながら、
那岐知美もジェノス魔導学園に対して宣戦布告をしてきた。
「私達は生き抜いてきたのよっ!ジェノス魔導学園に勝つために!!そして澤木京一が御堂龍馬を越えたと共和国中に示すためにっ!そのために私達は地獄を駆け抜けてきたの!!だから私達は絶対に負けないわ!!例えどれほど傷付いたとしても私達は絶対に退かない!!ジェノス魔導学園に勝つまで!絶対に諦めるわけにはいかないのよ!!」
…大した信念だな。
共和国から遠く離れた地に向かい。
仲間と呼べる者達がほとんどいない異国で戦い。
必死に生き抜いてきた想いをすべてさらけ出して。
「勝つのはグランバニアよ!」
那岐知美は勝利を誓っていた。




