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少しやりすぎたかな?
「く…ぅっ!?」
「一方的な攻撃で申し訳ないけどね。きみにはここで落ちてもらうよ。」
微かに届いてきたうめき声が百花の危機を感じさせる中で、
勝利はさせないと宣言した菊地英樹が百花にトドメを刺そうとしていた。
「これで五分だね。」
………。
百花を撃破したのだろうか?
菊地英樹は漆黒の霧を解除してから敗北した百花の姿を俺達にさらした。
「ごめんね。少しやりすぎたかな?」
…くそっ!!
素直に謝罪する菊地英樹だが。
「も、百花~~~っ!!!!」
歯を食いしばる俺の横で里沙が絶叫していた。
「百花っ!?百花ぁぁっ!!!」
必死に百花に呼び掛ける里沙だが、
肝心の百花は身動き一つとれずにフォースイーターによる串刺しを受けて地面に倒れ込んでいる。
「まずいぞ!」
さすがにこの状況はまずかった。
「百花の魔力の波動が消えかかってる!」
百花の胸に突き刺さる刃が致命傷を与えているようだった。
「雪っ!!」
「うん!!」
俺の指示によって全力で駆け出す雪が試合場に接近する直前で。
「試合終了!勝者、菊地英樹!」
百花の敗北と菊地英樹の勝利が確定してしまった。




