表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
THE WORLD  作者: SEASONS
5月13日
4027/4820

真逆の色

「闇よ、きたれっ!!」



菊地英樹の宣言と共にルーンの先端から重苦しい漆黒の霧が生まれ始める。



「全ての光を消し去る力!ライト・イレース!!!!」



ルーンを媒体として一気に広がった漆黒の霧は、

ものの数秒で試合場全体を包み込んでいく。



…これは天城総魔のホワイト・アウトと同様の力か?



白と黒という真逆の色だが魔術の効果は似たようなものかもしれない。



そんなふうに俺は考えたのだが、

どうやら現実は違っているようだ。



「きみと僕の魔力はどちらが勝つかな?」


「…そう。これが貴方の力なのね。」



漆黒の霧で遮られた試合場の内部で強気に問い掛ける菊地英樹に対して、

百花は少しだけ疲れを感じさせる声で返事をしていた。



「まさかルーンが消失するなんて…。これほどの魔術を使えるとは考えていなかったわ。」



…は?


…ルーンが消えただと?



百花の様子は霧に遮られて見えない。


だが百花の言葉を信じるならプリンセスガードは消失したことになる。



…どういう能力なんだ?



実際に触れてみなければ解析出来ないのが俺の欠点だな。



…菊地英樹にしても以前とは違う新たな魔術を身につけてるようだが。



試合場に入れない今は魔術の分析が出来ない。



…百花はどうなっている?



何も見えない霧の中で百花はどうしているのだろうか?



そんな疑問を感じていると。



「魔術を使用不可能にする霧ということかしら?」



百花は霧の内部で正解を導き出した様子だった。



…だが。



「それは少し違うよ。」



…ちっ!


…まずいっ!!



菊地英樹が百花の考えを否定した時にはすでに遅かった。



「あくまでも光を喰らう霧でしかないからね。」



魔術の効力を宣言した菊地英樹の声が百花のすぐ側から聞こえていた。



「逃げろ百花っ!!!!」



慌てて叫んだがすでに遅かったらしい。



「…っ…ぅ…っ!?」



何も見えない漆黒の霧の内部で何かが爆発する音が鳴り響いた直後に、

百花のうめき声が聞こえてきた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ