狙い通り
全ての力を振り絞って放つ命懸けの体当たりだ。
「ぶっ飛べっ!!!!!」
雷鳥を纏って飛び出した俺の最後の一撃は完璧に盛長康平に直撃していた。
「ぐはぁぁぁぁぁっ!!!!」
全身に雷撃を浴びた盛長康平が後方に吹き飛ぶ。
…良し!
…狙い通りだ!!
宙を舞いながら場外にまで吹き飛ぶ今の状況なら俺の雷撃が完全に伝わっているはずだ。
「これがお前の弱点だっ!」
雷に対して絶対的な耐性を持っていた盛長康平と言えども上手く回避できない状況がある。
「この試合は…俺の勝ちだっ!」
想定外の事態のせいでまともに動けない体になってしまったが、
この一撃で俺の勝利は確定しただろう。
「…負けたのはお前だ。盛長康平!」
場外まで吹き飛んで地面に激突した盛長康平は完全に意識を失っているように見える。
もはや俺の言葉に答える力さえないだろうな。
だがそれでも、俺はあえて宣言した。
「ジェノス魔導学園の連勝は止められねえ。この学園に俺がいる限り御堂は必ず優勝させる!」
「………。」
意識を失って倒れている盛長康平に宣言した直後に。
「試合終了!!!勝者、長野淳弥!!!」
ようやく係員が試合終了を宣言してくれた。




