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THE WORLD  作者: SEASONS
5月13日
4017/4820

防戦一方

「ふん!運だけは良いようだが、いつまでも俺の攻撃から逃げ切れるなどと思うなっ!!」



…くっ!?



再び襲い来る斧の刃から見苦しいほど全力で逃げ出してしまっていた。



…ちぃっ!


…とにかく今は距離を置くのが先決だ!



盛長康平の攻撃を避けるために体勢を立て直そうとしたのだが。



「逃がさんと言ったはずだっ!」



どうあっても上手く逃げ切ることが出来なかった。



…くそっ!


…この俺が防戦一方だと!?



澤木京一以外が相手なら楽勝に勝てると踏んでいたはずなのに、

実際には俺のほうが軽くあしらわれてしまっている。



…ちっ!


…ふざけんな!!


…これが体力の差だとしても強すぎるだろっ!!



俺の魔術は決して弱くはないはずだ。


本来なら盛長康平程度は一撃で沈められるだけの破壊力があるはず。



…それなのにどうして通じないんだ!?



俺の雷撃はほとんど効果を発揮していない。


それでも僅かだが確実に影響を与えているようには見える。


現に盛長康平の手はボロボロになりかけているからな。


だが明らかな致命傷となる前に強引に捩じ伏せられてしまっていた。



…意味が分からねえ。


…そもそも雷なんて掴めないだろ!?



そんなことは同じ雷撃使いでもなければ出来ないはず。



…って、まさか!?



盛長康平も雷撃の使い手なのだろうか?


だとすれば俺の雷撃を捩じ伏せられる理由も納得できる。



…い、いや。


…違うっ!



俺の直感が何かを訴えている。



…盛長康平にそんな力はないっ!



俺に宿るライブラリーの能力が雷撃の能力を否定しているからだ。



…違うっ。


…雷じゃねえ!


…盛長康平の能力はもっと別の何かだ!



それも特殊な能力だと考えた瞬間に。



「ここまでだっ!!!!」



盛長康平の斧が完全に俺の体を捉えてしまっていた。



「く…そっ!!!」



もう逃げ切れない。



…悔しいが、手も足も出ねえ。



現状で俺に出来ることは一つしかなかった。



「イクシオン!!!!!」



…ぐっ!


…うぁぁっ!!!



自分自身に対して攻撃して強烈な爆風を生み出したことで、

ようやく斧の射程から逃げきった。



…く、くそっ。



無様だが一時的に場外にまで逃れたおかげで追撃は振り切れたようだ。



…ただ。



「ぐ…ぅっ!!」



自分自身の攻撃で死ぬようなマヌケなことはしないが、

爆発の影響によって体に痺れは感じていた。



「くそっ!!!」



苛立ちを感じながらも必死に立ち上がったのだが。



「そのまま眠っていたほうが良いんじゃないか?」



試合場に立つ盛長康平は堂々とした態度で俺の前に立ちはだかっていた。



「…つ、強ぇな。」


「当然だ。」



…は、ははっ。



遠慮のカケラもなくはっきりと断言しやがった。


盛長康平の気迫が完全に試合の流れを支配しているのが感じられる。



…とんでもねえバケモノじゃねえか。



これで学園2位だとすると。



…澤木京一の実力はどこまですごいんだ?



マジでジェノス魔導学園の危機に思えてしまう。


こうなるともう優勝を目指すどころか1回戦を突破できない可能性が高くなってきた。



…ヤバすぎるだろ。



このままでは負ける。


そして姉貴に殺される。



…ダメだ!


…絶対に負けられねえ!



こんなところでぶざまな姿を曝すためにここまで来たわけじゃない。



…どういう理由で俺の攻撃に耐えてるのかは知らねえが、絶対に潰してみせる!!



何より里沙の前で敗北は出来ねえ。


それに雪に心配させるわけにもいかねえ。



「まだ終わりじゃねえっ!!」



気合いを入れ直してからすぐに試合場へ飛び上がると。



「無駄だ!勝負はすでに決まっている!!」



盛長康平はすかさず追撃を再開して俺との距離を詰めてきた。



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