1番
「それでは係員の指示に従って、順番にクジを引いてください!」
………。
先着順で行われるクジ引きが着々と進行していく中で、
御堂は7番目に並んで順番を待っているようだ。
…御堂の少し後ろに澤木京一がいるな。
その澤木京一と並んでシェリル・カウアーが順番を待っているのが見える。
…後列にフェイ・ウォルカか。
順番的には20番目くらいだろうか?
…一番気になるのはカリーナだが。
代表として歩み出ているのは冬月彩花ではなく宮野あずさのようだった。
…並ぶのが面倒なのか?
おそらくその程度の理由だと思う。
…まあ、誰でも良いが。
31番目に宮野あずさが並んで、
最後尾となる32番目に栗原薫が並んでいる。
…マールグリナは最初から最下位確定だからな。
だからこそこの大会では31位が事実上の最下位になる。
…さすがに最下位争いはどうでも良いだろう。
それよりも他の学園はどうだろうか?
…大塚義明は先頭か。
…やる気満々だな。
大塚義明と御堂の間に上矢遥の姿が見えた。
…まあ、この当たりの学園とぶつからなければ初戦突破は確定だろうな。
確率的にはそんなに悪くないはず。
…とりあえずは、だ。
最初に抽選を行う大塚義明が引くクジの番号に注目していると。
「ヴァルセム精霊学園は25番です!」
最初にクジを引いた大塚義明の番号は25番で後半組が確定した。
…1番から16番までが前半組だからな。
反対に17番から32番までは後半組になる。
もしもジェノスが前半組に入ればヴァルセム精霊学園とは決勝までぶつからない。
…もちろんお互いにどっちも負けなければ、という前提だけどな。
どちらかが敗退した時点でぶつかり合う可能性はなくなるからな。
…問題は御堂が何番を引くかだよな。
最も重要となる結果が示されるその前に、
エスティア魔術学園を率いる上矢遥が抽選を開始した。
…何番を引く?
少し緊張を感じながら上矢遥の抽選を眺めていると。
「エスティア魔術学園は4番です!!」
係員の宣言と同時にトーナメント表の4番にエスティア魔術学園の名前が記された。
…エスティアは前半組か。
これで前半と後半のどちらに進んでも、
ヴァルセムかエスティアのどちらかとぶつかることになった。
…強豪同士で互いに潰しあってくれるのが理想だったんだがな。
そうそう上手くは行かないらしい。
…とりあえず御堂の結果は?
上矢遥の少し後ろで抽選を待っていた御堂にようやく順番が回ってくる。
「クジを引いてください。」
「はい。」
係員に勧められるまま小さな箱の中から一枚の紙を取り出した御堂は折り畳まれた紙を開いてから係員へと差し出した。
…何番だ?
「ジェノス魔導学園は1番です!!」
…ちっ!
係員の宣言によってあまり嬉しくない試合順が確定してしまった。




