御堂の運
「それでは皆様お待たせいたしました!!」
一通りの準備が整ったことで、
俺達の心労や里沙の暴言など一切何も知らない係員が抽選の開始を宣言した。
「ただいまより今大会の試合順を決める抽選を始めたいと思いますので、32校の各学園から代表者を一名選んでこちらまでお越し下さい!」
…やっとか。
抽選を引く代表者を選ぶように係員が指示を出したことで、
各学園から一人ずつ壇上の側へと歩みを進めて行く。
その様子を眺めながら御堂に話し掛けることにした。
「ジェノスは当然御堂だよな。」
俺が行っても問題ないが、
代表を選ぶのなら御堂しかいない。
…と言うよりも。
里沙以外なら誰でも良い。
「僕で良いのかい?」
…ああ、当然だ。
念のために確認する御堂だが、
反論する奴なんていないからな。
「こういうのは御堂の役目だろ。」
「そうかな?まあ、いつものことだから慣れてるけどね。」
…ははっ。
…だろうな。
「それじゃあ行ってくるよ。」
「おう。」
ジェノスの代表として抽選に向かう御堂の後ろ姿を見送ることにして、
もう一度トーナメント表に視線を向けてみた。
…試合は全部で5戦だよな。
これから始まる試合で32校から16校に絞られることになる。
そして午後から行われる試合で上位8校が決定するはずだ。
さらに明日の午前中で上位4校が確定して、
続く試合で決勝戦の相手が決まる。
最終的に決勝は明日の午後から行われるらしい。
…どの学園と当たるのかは分からないが、今は御堂の運を信じるしかないな。
これから行われる抽選の結果がどうなるのか?
決して小さくはない不安を感じながらも、
まずは抽選の結果を眺めることにした。




