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THE WORLD  作者: SEASONS
5月13日
3992/4820

代表代理として

…今更という気もするが、そういう奴らもいたよな。



里沙の指摘は間違っていない。


俺が知る限り、どう考えても味方とは言い切れない特殊な連中だったからだ。



…この2週間の間にさらに雰囲気が変化してるよな。



以前よりも凶暴性が増していると言うべきだろうか。


負の力が渦巻いているような危険な匂いが漂っているのが分かる。



…さらなるバケモノに成長したか?



冬月彩花や矢島奈々香の魔力は以前の数倍に膨れ上がっている。


そして文塚乃絵瑠の魔力の波動も以前より異質な感じがする。



…宮野あずさや雨音未来にいたるまで。



学園4位や5位の生徒でも俺と同格の覇気を放っているような気がしてしまう。



…バケモノ揃いか?



単純な魔力の質で言えばカリーナの魔女達はジェノス魔導学園と互角以上の力を持っているように感じられる。



…フェイ・ウォルカや澤木京一のように学園で一人だけが特化している状況とは違って、魔女達は全員がバケモノ級だよな。



現時点での実力を考えれば百花や由香里では全く歯が立たないだろう。


里沙は戦い方次第だが。


鈴置は相性の問題かもしれない。



…上手くこちらが有利に戦える相手とぶつからなければ連敗もありえるか。



俺でさえ冬月彩花や文塚乃絵瑠とぶつかれば確実に勝てる保証がない。



…御堂が1勝出来ても残り4敗で敗退もありえるのか。


…出来ることならぶつかりたくないな。



やはりカリーナ女学園だけは要注意かもしれない。


カリーナ女学園との試合だけは絶対に回避したいと願う俺の願いが実現するかどうかは、

これから始まる開会式の後に明らかになるだろう。



…ついに開会式か。



午前8時を2分ほど過ぎたことで、

大会の責任者の米倉宗一郎が壇上に歩み出てきた。



「みな、よく集まってくれたな。」



この場に集まる生徒達を眺めながら、

米倉宗一郎が開会式を進行していく。



「本来ならば共和国の代表となる者がこの場に立って挨拶をするのが通例となっているのだが、残念ながら代表だった米倉美由紀はアストリア王国との戦争によって亡くなってしまったからな。その代わりとして前代表だった俺が一時的に代表代理として今魔術大会の開催を宣言させてもらう。」



…ほう。


…前代表か。



米倉宗一郎の真意が感じられる発言だった。


今だに存在しない代表の座を自らが担うことはせずに、

あくまでも代理として行動する方針を宣言しているように思えたからだ。



…代表になるのは別の誰かということか?



次期代表に関しての詳細までは俺もまだ聞いていないが、

慶太や姉貴達なら何か知っているのかもしれない。



…そう言えば聞くのを忘れてたな。



今からでも遅くはないが、

それほど急ぐ情報ではないとも思う。



…まあ、良いか。



米倉宗一郎の真意や次期代表の選考に関しては俺が関わる必要はないからな。



…とりあえずは大人しく話を聞いておくか。



多少長くなる気もするが、

今は黙って式の進行を眺めておくことにした。


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