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試合の段取り
「御堂龍馬との決戦を行うために、共和国に戻ってきた。」
「ふふっ!ははははっ!!」
誰かのためではなくて。
自分の目的をはっきりと告げた総魔さんの話を聞いた米倉さんは、
これまで抱えていた複雑な感情を置き去りにして楽しそうな表情で笑い出しました。
「やはりそうなのか!!きみが生きていて、わざわざ俺に会いに来たことには何か裏があると思っていたが!やはりそのためにここに来たのかっ!!」
魔術大会の会場であるこの場所に来たことで二人の試合が見れると考えた様子の米倉さんですが、
それは少し違います。
「俺に二人の試合の段取りを整えろというのだな?」
「…いや、違う。」
…ですよね。
最も正解に近くて最も真相に近い質問だったのですが、
総魔さんははっきりと否定していました。
「試合の準備を頼みたいとは考えているが、それはこの場所ではないからだ。」
「ん?ここではないだと?」
「ああ、そうだ。俺が望む決戦の地はここではない。」
「ではどこだ?」
疑問を感感じ続ける米倉さんに総魔さんは一言で答えました。
「ジェノス魔導学園だ。」




