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こういう状況は
午後3時23分。
時計の針が秒刻みで進んでいく中で、
部屋の外にいる米倉さんの声が聞こえてきました。
「こんな所で一体、何の用だ?」
「ええ、まあ、それは中に入れば分かりますから。」
戸惑う米倉さんをなだめる栗原さんの声も聞こえたあとで『ガチャッ』と扉を開く音が室内に響き渡りました。
…き、緊張しますね。
今まで以上の緊張感を感じてしまいます。
…立花さんの時もそうでしたけど。
どうもこういう状況は苦手です。
ですが、ゆっくりと開かれる扉の向こう側に。
…米倉さん。
道案内を勤めてくれた栗原さんのすぐ側に米倉宗一郎さんが立っているのが見えました。




