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THE WORLD  作者: SEASONS
5月12日
3902/4820

晴れやかな気持ち

「…と、言うことだ。」



…なるほど。



10分ほどかけて今後の計画を説明していただいたことで、

ようやく総魔さんの考えを理解することができました。



…そういうことだったんですね。



総魔さんが大会に参加しない理由と、

今でもまだ姿を隠し続けている本当の理由がようやく分かったんです。



「それでジェノスに向かっているんですね。」


「ああ、俺と御堂の再会はジェノスでなければ意味がない。」



…ええ、そうですね。



話を聞いた今なら分かります。


総魔さんが御堂先輩と再会するのはジェノスでなければいけません。



「でも、それだとグランバニアでは会わないということになりますよね?」


「ああ、グランバニアで会うのは米倉宗一郎と薫だけだ。」


「大会の観戦はどうしますか?」


「状況次第だな。遺された意志を受け継いだ者達がそれぞれにどんな成長を果たしたのか少なからず興味がある。」


「それは御堂先輩やフェイさんのことですよね?」


「それもあるが、冬月彩花や大塚義明も戦争の中で大きく成長を果たしているからな。それに上矢遥や長野淳弥も今度の大会では台風の目になりえるはずだ。」



…確かに。



みなさん成長していますので、

どういった試合になるのか私には想像もできません。



「最終的に誰が勝ち上がるのでしょうか?」


「さあな。組み合わせ次第では誰もが一回戦敗退という可能性が考えられる。場合によっては御堂達が決勝の舞台に立てないという可能性もあるだろう。」



…ですよね。



御堂先輩は強いです。


ですが大会は団体戦です。


だから御堂先輩がどれほど強くても、

試合の勝率によっては優勝を逃してしまう可能性もありえるんです。



「できれば今回もジェノス魔導学園に優勝してほしいですね。」


「ああ。だが、成長している者達は他にもいるようだからな。そうそう簡単にはいかないだろう。」


「他…ですか?」


「澤木京一やシェリル・カウアーも成長しているからだ。おそらくは俺達の知らない所で命懸けの戦場を戦い抜いてきたのだろう。」



…澤木さんとシェリルさんですか。



「確かに…魔力が以前の数倍に膨れ上がっていますね。」



総魔さんに言われて魔力の波動を探知してみると、

澤木京一さんに関しては御堂先輩に匹敵する魔力の波動を感じました。



「シェリルさんの魔力も冬月彩花さんや上矢遥さんを凌ぐ勢いですね。」


「戦場は大陸南部全土に広がっていたからな。おそらく西部の戦闘に加わっていたのだろう。」



…西部と言うことは。



イーファやカーウェンのことですよね。



私や総魔さんが関わっていたのは東部のセルビナやミッドガルムだけですので、

西部に関してはよく分かりませんけど。



それでも二人の魔力の波動を考えると、

御堂先輩達に匹敵する戦場をくぐり抜けてきたのは間違いなさそうでした。



「今回は本当に激戦になりそうですね。」


「ああ、だからこそ観戦する甲斐があるだろうな。」



…そうですね。



「私も見てみたいです。」


「見れるかどうかは状況次第だが、検討はする。」


「はい。お願いします。」



御堂先輩の悲願でもある年間制覇の瞬間は私も見てみたいです。



「それではグランバニアに急ぎましょう。」


「ああ、そうだな。」



総魔さんから全ての説明を聞いたことで、

これまで抱えていた迷いや悩みが解決しました。



おかげで今は晴れやかな気持ちで歩みを進めることが出来ます。



…まずは大会の結末を見届けてからですね。



そしてその後に。



…最後の計画を決行ですよね。



最高の結末を迎えるために。


総魔さんと一緒にグランバニアへ急ぐことにしました。


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