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THE WORLD  作者: SEASONS
5月12日
3899/4820

物騒なお話

「何だか物騒なお話でしたね。」


「ああ、そうだな。だが同じような話は他でもあるようだ。」



…えっ?



総魔さんに言われて他の席を確認してみると、

別の場所でも美咲さんに関して話し合っている人達がいるようでした。



…え~っと。



「今、噂になってる美咲さんって昨日の人でしょうか?」



グランバニアに向かって移動していた矢島美咲さんと今ここで噂になっている美咲さんが同一人物だとすると、

矢島美咲さんは受付にいたちょっぴり怖いお姉さんにクビに追い込まれたということになるようなのですが。


どうなのでしょうか?



「どう思いますか?」


「おそらく同一人物だろうな。」



…やっぱり。



「周囲の会話が事実なら、矢島美咲はここで働いていたようだが、何からの事情でギルドを追い出されたのだろう。」



…そうみたいですね。



「そしてレーヴァに現れてから再び姿をくらましたということになる。」



…はい。



「ものすごく人気があったんですね。」


「ああ、そうだな。」



…はい。



まだ会ったことはありませんが、

油断出来る相手ではないのは間違いないと思います。



「そもそもこんな小さなギルドで収まるような実力ではないだろう。何があったのかは知らないが、追い出されたのではなくて自らの意思で出たと考えるべきだろうな。」



…ですよね。



私もそう思います。


私や総魔さんでさえ関わりを控えたくなるような人が嫌がらせを受けて辞めたなんて考えにくいです。



…もっと別の事情があるんですよね。


…きっと。



理由までは分かりませんが、

あまり追求するべきではないとも思います。



…今は関わらない方がいいですよね。



矢島美咲さんとの対立を避けるためにも、

今はまだ何も知らないほうがいいと思うんです。



「矢島美咲さんに関しては、全てが終わってから調査しますか?」


「いや、俺達にとって害になるとは考えにくいからな。このまま放置しておいたほうが良いだろう。」



…そう、ですか。



私はまだ気になるのですが、

総魔さんが気にしないのなら無理に追求はしません。



「それでは食事を済ませてから出発しましょう。」


「ああ、そうだな。」


「はい。」



美咲さんに関してはこれ以上の追求を避けることにして、

ひとまず朝食を済ませてしまうことにしました。


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