料理の質
「ひとまず今は8時だが、9時までにカリーナを出れば、午後2時か3時頃には到着できるだろう。」
「お昼を過ぎるんですね。」
「ああ、昼食は向こうでと考えているが、まずは米倉宗一郎と話し合うのが優先だからな。昼食はもう少しあとになるかもしれないな。」
…あ、はい。
それは大丈夫です。
「食事のお時間は総魔さんにお任せします。」
「すまない。」
…い、いえ。
「謝らないでください。私が好きでしてることですので…。」
私の個人的な気持ちで総魔さんと一緒にいさせていただいているので文句なんて言えません。
「私のことは気にしないでください。全然平気ですから。」
「そうか…。」
笑顔を浮かべる私を見て、
総魔さんも微笑んでくれました。
…その笑顔だけで十分です。
総魔さんの笑顔が見れただけで私はまだまだ頑張れます。
「まずは朝食をいただきましょう。」
「ああ、そうだな。」
「はい。」
あまり見つめ合っていると恥ずかしくなってしまうので、
定食に視線を向けてから食事を始めようとしました。
…ですが、その前に。
「なあ、最近料理の質が下がったと思わないか?」
少し離れた場所で食事をしている男性の声が聞こえてきたんです。




