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THE WORLD  作者: SEASONS
5月11日
3890/4820

学園の制服だけ

…ふぅ。



食堂で夕食を終えてからお部屋に戻って来ると、

すでに午後8時になっているようでした。



「ひとまずこれで今日はもうゆっくり休めますね。」


「ああ、そうだな。竜崎達と別れてからはずっと移動が続いていたからな。今晩くらいはゆっくり体を休めておいたほうがいいだろう。」


「はい。」



私としても休める時には休みたいと思います。



…それに。



ここにたどり着くまではずっと歩きっぱなしだったので、

せめて今日くらいはおふとんでゆっくりと眠りたいです。



「さすがに疲れましたね。」


「ああ。ここまで長距離の移動ばかりだったからな。今日はもう風呂にでも入って汗を流したらすぐに眠るといい。」



…あ、は、はい。



それはそれで良いと思うんですけど。



「総魔さんはこれからどうするんですか?」


「特に予定はないが、少し考えたいことがある。まだ結論には至っていないが、準備だけは進めておくべきだと思うからな。」



…えっと。



「何の準備ですか?」


「それはグランバニアについてから話す。今はまだ話せる段階ではないからな。」


「…そうですか。」



総魔さんが話さないのなら無理には聞けません。



…それに明日になれば分かることなら、急ぐ必要はないですよね。



グランバニアへは明日の午後には到着します。


それから話を聞いても遅くはありません。



「それでは先にお風呂を借りますね。」


「ああ、時間は気にしなくていいからな。」


「あ、はい。ありがとうございます。」



お風呂に入るのは久し振りです。


でも今はそれ以上に服を着替えたいと思ってしまいます。



…砦を出てからずっと服を着替えてなかったので。



綺麗な服に着替えたいです。



…と、言っても。



今は竜崎さん達に借りてきた『雪さんの服』しか持っていません。


私の荷物は全てアストリア王国での決戦の直前に御堂先輩に預かっていただいたので、

今はほぼ全て雪さんの私物を借りている状況だったりします。



…ちゃんと洗って返したいし。


…汚れる前に綺麗にしないと。



旅の間にボロボロになって返せなくなるというのはあまり気持ちの良い結果ではありません。


なので出来る限り大切にしたいと思います。



…お風呂のついでに、お洗濯もしようかな。



今、着ている服も借り物だからです。



唯一、私物と呼べるのは学園の制服だけなのですが。


さすがにジェノスの制服で出歩くと色々と目立ってしまいそうなので今はまだ着れません。



…他に替えがないから大事にしないと。



お洗濯も含めて必要な荷物を集めてから、

室内に備え付けの着替えを手にもってお風呂場に向かうことにしました。




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