3879/4820
財布も荷物も
…え~っと。
…ここはどうかな?
雨音未来さんのお家かもしれない旅館の前を通り過ぎてから町の南部に向かって歩いている途中で、
また一軒の旅館を見つけて足を止めました。
「総魔さん、また旅館がありますよ。」
今回は名前を確認しているので大丈夫だと思います。
「ここにしますか?」
「ああ、そうだな。手持ちの資金があまりないが、泊まれるようならばここでいい。」
…あっ、はい。
…そうですね。
総魔さんの場合はお金が少ないようですが、
そもそも私はお金を持っていません。
…鞄も財布も御堂先輩に預けてしまったので。
お家に帰らない限り、
財布も荷物もないままです。
…何かお金を稼ぐ方法があればいいんですけどね。
秘宝を上手く使えば何とかなるような気がしますが、
何だか秘宝を悪用するような感じがするので出来ればやりたくないです。
…とりあえず今は。
素直に確認してみようと思います。
「聞いてみますね。」
一泊のお値段を聞いてみるために旅館の中に入ることにしました。




