別の山道を
…もうお昼かな。
日が昇ってお昼が近付いてきた頃。
私と総魔さんはカルナック山脈の国境付近に差し掛かろうとしていました。
「もうすぐ国境ですね。」
ここから少し南下すれば、
共和国とミッドガルムを分ける国境にたどり着くことが出来ます。
「近藤さん達も国境付近に接近していますけど、私達とは別の山道を進んでいるみたいですね。」
「ああ、そうだな。」
場合によっては山道の途中で遭遇する可能性を心配していたのですが。
近藤さん達は最短距離を進む私達とは違って、
戦場跡の荒れ地を回避しながら別の山道を進んでいるようでした。
「これなら身を潜める必要はなさそうですね。」
「ああ。」
私もそうですが、総魔さんも超距離の魔力探知が出来るので距離に関する説明は必要ありません。
遠くに感じる魔力の波動が私達とは別の方角にあることを把握できていれば、
お互いの考えは十分に理解できるからです。
「このまま共和国の国境を目指しますか?」
「ああ、そうしよう。」
「はい。分かりました。」
体力的には少し休みたい気もしますが、
共和国が近いと思うだけでまだまだ頑張れそうです。
「国境を越えてカリーナを目指しましょう。」
最も近い町を目指して登山を続けることになりました。
その道中で再び各地の調査をしてみようと思います。




