何度も何度も
「まずは単刀直入に話を進めさせてもらうよ。きみとの交渉において面倒な駆け引きは必要ないだろうからね。」
竜崎さんは余計な駆け引きはしないと宣言してから、
総魔さんに対して交渉の条件を提示してきました。
「僕達はきみの力が借りたい。全ての魔術師の頂点に立つきみの力がほしいんだ。」
最初に目的を告げてから、
詳細を説明してくれるようです。
「今回の戦争によって僕は最も叶えたいと願っていた竜の牙の奪還には成功した。だけど竜の牙が広めた悪名や汚名は今でもまだ残っている。力に狂った組織という事実が、すでに世界各国に広まってしまっているんだ。だからこそ、悪名を払拭して真の解放軍として竜の牙を再興するためには、どうしてもきみの力が必要なんだ。」
過去の汚名を清算して。
竜の牙を再興させるために。
総魔さんの力を貸してほしいと願っていました。
「竜道寺清隆を倒して奪われた秘宝を取り返したい。そして竜の牙という組織を本来のあるべき姿に戻したい。」
竜の牙の悪名を払拭して本来の姿に戻すために。
「きみの力を貸してほしい。」
全ては竜の牙のために。
力に狂ってしまった組織として名を広めてしまった竜の牙を本来の姿へ戻すために。
「ただそれだけが僕の願いだ。」
総魔さんの協力を願っていました。
「僕達はきみの計画を遂行するために協力してきた。だから今度はきみが僕達に力を貸してくれないかな?」
竜崎さんにとって最大の敵を倒すために。
竜崎さんにとって最大の悲願を達するために。
「僕達に力を貸してほしい。」
何度も何度も、必死に願い続けていました。




